キレイになって、逝った叔父。

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先週の日曜日、叔父が他界した。

健康だったそうだが、去年の11月下旬に急な発作で倒れた。

なんとか一命は取り留めたものの、体の自由が利かず、ずっと寝たきりの生活だった。

毎年お盆とお正月に帰省すると、明るい笑顔で迎えてくれた叔父。

去年のお盆に一緒に飲んで家族みんなでカラオケして大盛り上がりしたのが元気な姿を見る最後だった。

今になってみると、最後の想い出が楽しく明るいもので本当に良かったと思う。

叔父は離婚しており、独り身だったため、倒れてから看病し続けたのは祖母と母だ。

出稼ぎ先の岐阜県で倒れたため、祖母と母は秋田から遠い岐阜まで約4ヶ月も通い続けた。

80歳を超える祖母は、1人で数週間岐阜の叔父の寮に滞在し、電車で病院に通っては看病し続けた。

物覚えが悪くなっている歳なのに、本当に良く頑張ったと思う。

母の愛を感じた。

その後、山形県の病院に移送され、そこで7ヶ月ほど入院した。

距離はだいぶ近くなったが、パートで仕事をしている母は、

休みの合間を縫っては1時間半かけて車で祖母と病院へ通い続けた。

今月になって体調が悪くなり、ついに先週末、叔父は他界した。

私は2日間会社に休みをもらってお通夜と葬儀へ参列した。

そこで見た叔父はまるで別人のように痩せ細っていた。

70歳過ぎの老人のようだった。

こんなに変わってしまった叔父を看病する祖母、母はどれだけ辛かっただろうと思うと胸が痛んだ。

納棺の前に、叔父はお風呂に入った。

お風呂が大好きだった叔父のために最後に姉である母がお願いしたのだ。

映画「おくりびと」のロケ地である山形県だからなのか、最後にそのようなお願いができることに驚いた。

この記事のタイトルは、「おくりびと」のキャッチコピーの

「キレイになって、逝ってらっしゃい。」

を参考にした。

お風呂から上がった叔父はサッパリして、嬉しそうに見えた。

葬儀では母が涙ながらに挨拶をした。

みんな涙を流していた。

そして、叔父は天国へと旅立った。

葬儀の後、親戚のおばさんが言っていた。

「ここ数年ずっと1人だったから、最後に家族に甘えたかったのよね、きっと。」

なんだか妙に納得してしまった。

未だに叔父が居なくなったことは信じられない。

去年のお盆に「ゆかは良い旦那さんと結婚したな~」と言ってくれたことを思い出すと、目が潤む。

独り身だった叔父を家族、親戚で温かく送ることができて本当に良かった。

今まで本当にありがとう。

これからは天国でみんなを見守っていてね。